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ランドリー
浅い井戸に沈んだ、紺色は、昨日の私を締め付けて。
小宇宙にのまれる、白色は、おとといの私を包んでいた。

遅い朝に、洗濯機をまわす。
ごうん、ごうん、とうねり、
ずずーっ、と吸い込まれる水と泡。

日々はたくさんの不安と幸福に彩られている。
だから私は、その日々の区切れに、洗濯をする。

残ったのは、清潔な匂いと、清潔な孤独。



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【2005/11/27 13:04】 優しい時間 | トラックバック(0) | コメント(0) |
あったかい味
今晩のご飯は鍋。
辛みそ鍋、モツ入り。
農家をしている実家から送られてきた白菜と大根をどっさり入れて作る鍋はあったかくて、やさしい味がする。

季節のはじめに届くその段ボールは、がっちりとガムテープで閉じられていて、受け取ってすぐにいそいそとフタを開けると、ふわっと、野菜を包んでいる新聞紙と、懐かしい土の匂いがするのだ。
その匂いは私の鼻と心をくすぐる。
おばあちゃん、畑仕事、無理してないかな。
おじいちゃん、また風邪なんか引いてないだろうか。

段ボールの中に閉じこめられていた匂いは、いつのまにか拡散して消えた。
今は、味噌と野菜の甘い匂いが蒸気と共に部屋中にたちこめている。

そして私は、もうすぐやってくる人と鍋が煮上がるのを、段ボールの中のミカンを食べつつ待つのである。



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【2005/11/22 22:07】 優しい時間 | トラックバック(0) | コメント(2) |
記念日。フォアグラはうまかった。
今日の授業はどうだったとか、あの映画が観たいだとか。
彼氏が「せっかくだから、思い出話でもしようよ」といったのはほんの5分前。

この前の日曜日のこと。
家の近くのフレンチレストランでふんぱつしたコース料理を前にしての会話。
実は私たちはつきあい始めてちょうど一年。
一応、記念日のイベントなのである。

「あ、明日ゴミの日だね。」
「そうだね。帰ったらちゃんと出そうね。」

なんて。
いつの間にか、普段家でカレーでも食べながらするかのような気の抜けた会話。
話すべき思い出はたくさんあるはずなのに、二人でご飯を食べるとムードもへったくれもない。

「そのフォアグラ一口ちょうだい。」
「いいよ。」

「このサーモンのなんとか風マリネおいしいよ。あげる。」
「どうも。」

「あのさ。私たちが付き合ってる間に、一回でいいからドラマみたいなロマンチックなことして。」
「うん、いいよ。」

「ぜったいだからね。」
「もちろん。」

まったく。
呑気で、まぬけで、平和で。
こんな幸せなことはないよ。



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【2005/11/18 01:29】 優しい時間 | トラックバック(0) | コメント(0) |
どーでもいい嘘。
私はよく、彼氏にだけ、ほんとうにどーでもいい嘘をつく。
あまりにどーでもいいので、例がほとんど思い出せない。

午前0時。
小腹が空いたと言う彼氏と二人。
コンビニの帰り道。
とぼとぼと手をつないで歩く。

「今日、映画館の中で途中、むせて咳したくてたまらなくて。
 止めようと思ったのに無理だった。げほげほって、聞いてたでしょ?」
「ほんとに?聞いてただろうけど、覚えてないや。」
「そういえば、ヒロセくんはおならしてたでしょ。」
「え、してないよ。」
「自分のことも覚えてないんだ。」
「してないと思うけどな…」

「嘘だよ。」

「また?」という顔の彼氏。でも目は笑っている。
あきれるくらいどーでもいい話。
たわいない日々のやりとり。

「私、この嘘は一生続けていくつもりだから。
ヒロセくんはずっとそうやって信じたフリしててくれればいいから。」
「フリでいいんだ。」
「そう。それが、円満のひけつ。」

彼氏の手にある、買ったばかりの肉まんにかぶりつく。
あきれるくらいどーでもいい、幸せな日々のやりとり。



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【2005/11/04 02:50】 優しい時間 | トラックバック(0) | コメント(5) |
ペアルックよりも。
私は久々にお買い物でもしようかと、いつもと違う電車に乗っていた。
目的地まであと30分ほど。
うとうととしていた私は、開いたドアから入り込む乾いた冷たい風に視線を上げると、向かいの座席には一組のカップルが立っていた。

親しげに会話を楽しむカップルを横目で見ていると、一つ気になることが。
二人の服装である。

男性は、上はカーキ色のカバーオール。下はベージュのコーデュロイのパンツ。
かたや、隣に立つ女性は、上はベージュのロングコート。下はカーキ色の七分丈パンツ。
上下の服の色が逆さまなのである。
服装全体の雰囲気そのものも似た感じ。

約束も何もなしに、偶然合ってしまったのだろう。
きっと、本人たちは全然気が付いてないんだろーな、なんて考えていると、何となくほほえましい。

合わせようと思って、合わせたペアルックよりも、うっかり合ってしまう二人のほうが、ずっと親密な匂いがする。
二人がスゴク仲良さそうに見えたのは、ちょっとそのせいもあるのかな。

また眠気が押し寄せて、数駅分、目を閉じて過ごした。
目を開けると、もうそこにそのカップルはいなくて、窓からはさっきの寒さとは対照的に、暖かそうな日差しがさしこみはじめていた。

なんとなく気持ちのいい、ある秋の昼下がりのこと。




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【2005/11/01 13:58】 優しい時間 | トラックバック(0) | コメント(4) |
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